大好きなスナフキンみたいに、丘の上に寝ころび誰に言うでもなく風につぶやく。カッコつけエリフキン。

「あんまりひどい人生だとね、

 普通の人ならいつ死ぬのかさえ

 生きているのが運が良いのか悪いのか

 それさえ分からなくなってしまうんだよ」

「本当に哀れな人間が誰なのかは、人間以外が知っています」

「嫌いなものを嫌いとはっきり言えるのは実に気持ちがいいもんですね

 好きなものを好きと言えるのと同じくらいに」

「あいつが悪い、おまえが悪いとそれしか言えないやつらは

 おそらく自分がどれだけ悪いか気づいているんでしょう


 悪口ってのはよく聞くと面白いほど自己紹介そのものなんだ

「あんまり覚えていることは不幸せの元ですね」

「感じることは考えることをはるかに上回る時が多いけれども

 誰かに伝えるにはそれだけでは少し足りないんだ」

「裏切られたのは信じたからさ

 そんなに尊いことはないだろう?

「正解を探しているうちに

 時間というものがほんとうの気持ちを曖昧にぼかしてしまうから

 絵の具が乾くまえにせっかちに絞り出すのも大事なんだぜ

「自分の気持ちさえわかっちゃいないのに、

 誰かを完全に理解できるなんて思い上がりもいいところさ

 

 だけれどまず寄りそって解ろうとする気持ちがなけりゃ」

「無力だから祈るのさ

 人ひとりになんざ大した力がないことが僕には救いなんです


 誰かのために祈ることができるのは僕らがちっぽけだから

 その無力さこそが僕らを動かす一番巨きな力だから」

強風が不安を吹き飛ばし
 豪雨は哀しみを拭い去り
 星月は痛みをそっと癒してくれる

 そうして光は汚れた心を何度でも浄化する

最初はみんな、純粋な《けもの》として産まれたのに

 どうしてか、《ばけもの》になってしまう奴らがいるようです

ひとではなく

 最期に自分を赦せるように生きたいんだ」

誰も見ていないところでしていることこそが本当だよ

「どうして一人じゃ笑えもしないのに

 独りきりじゃないと心から泣けないんだ」

「『神はサイコロを振らない』なんて僕にはちっとも思えない


おおかた、振っているのに気づかないとか信じないとかだろう

猫のほうが見えてるサイコロもあるんだぜ


でもそう言い切る人のサイコロはきっととびっきりカッコいいだろうな」

「たった一人の君がいなくなるそれまでは

 『僕は強い』と

 たいへん見事な勘違いが出来ていたのにね」

「どんなに全てに恵まれている人を見るよりも


 君が隣に居ない

 それがいちばん辛いことだった」

神を信じる、というのは

 実はひとを、じぶんを信じる、ということとおんなじなんだ

「どんな生き物が生まれてくるのも

 死んでいくときも

 実に立派なもんだよ」

ほんとうに美しくて素晴らしいものってね、

 お金で買えるほうが珍しいんだ

芸術なんてたいそうな名前を付けないでも

 はじめっからぼくたちの真ん中にずっとあって
 これからもいちばん奥に在りつづけるものさ